単なる安売りは「三方よし」ではない

有形の商品は、生産能力や在庫が過剰になると、安売りされる。アパレルのバーゲンセールのように。

だが、無形のサービスは、有形の商品以上に、安売り合戦に陥りやすい。それも知らず知らずのうちに。

なぜならば、サービスは在庫できず、原価もわかりづらいからだ。

例えば、ホテルの空室や飛行機の空席。

その時間、その部屋やその席が空いたままだと、お金は1円も入ってこない。

逆に、たとえ安い価格であったとしても、その部屋やその席を使ってくれる人がいればお金が入ってくる。加えて、追加でかかるコストは少ない。

その結果、ホテルの空室や飛行機の空席は、安売りされやすくなる。

これは、ホテルや飛行機などの設備稼働型ビジネスだけではない。

人材稼働型ビジネスでも同様のことが言える。

例えば、エスティックサロン、美容室、カウンセリング、あるいは士業など。

お客様のいない手待ち時間。その時間、お客様がいてもいなくても一定の人件費や家賃が発生するとしたら。特に、店舗や事務所を構えている個人事業主であれば尚更。

どうせ同じ人件費や家賃が発生するのであれば、「通常よりも安い価格でもいいからお客様に利用してもらおう」ということで値下げに走りやすくなる。

このように、無形のサービスは、安売り合戦に陥りやすい。

だが、空き時間を埋めるためだけの単なる安売りは「三方よし」ではない。

まず、通常の価格でサービスを利用している大多数のお客様にとってよくない(「世間よし」でない)。もちろん、大多数のお客様が安売りに納得していればいいが、そうでなければ多くのお客様に不満を持たれることになるだろう。

また、同じサービスを提供している同業者にとってもよくない(別の観点で「世間よし」でない)。正当な経営努力の末での低価格化であればいいが、単なる安売りは業界を荒らすだけである。多くの同業者(特に正当な経営努力をしている同業者)に不満を持たれることになるだろう。

次いで、安売りをした直接のお客様にとってもよくない(「相手よし」でない)。もちろん、一時的には喜んでもらえるであろうが、それ以降、通常の価格で利用してもらえるとは限らない。この前と同じ価値のものをより高い価格で買おうとは思ってくれない可能性がある。

そして何よりも、サービス提供者自身にとってよくない(「自分よし」でない)。もちろん、空き時間をお金に変えることはできるが、所詮はその場しのぎである。安売りをした直接のお客様に再度利用してもらえず、同業者からも不満を持たれ、通常の価格でサービスを利用している大多数のお客様からも不満をもたれることになるとしたら。単なる安売りは、長期的な利益を減少させていく恐れがある。いや、思っているよりも早く、利益が減少していくかもしれない。

そんな状況の中で、結局のところ、自分で本当に納得できるサービスをお客様に提供できるのだろうか。それは自分にとって本当にいいことなのだろうか。

単なる安売りは「三方よし」ではない。

ひと時の不安に駆られて自分を安売りすべきではない。

ほんとうに価値のあるものは、その価値に見合うだけの価格で売りたい。売ってもらいたい。買いたい。買ってもらいたい。

自由競争の世界ではあるが、持続可能な節度ある価格設定をしたいものである。

できるだけ「三方よし」となる価格設定をしたいものである。

どっひー &sing


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