私は、小学生の頃から、漠然とシンガーソングライターに憧れていた。
過去、何度も何度も自作の曲づくりに挑んできた。
だが、一度も人前で披露できる曲は完成しなかった。
「これは自分で作った曲だ!」と自信を持って言える曲を生み出すことができなかったからだ。
例えば、ふとメロディーが浮かんだ時。
「このメロディー、どこかで聴いたことがある気がするなぁー?」と思ったり。
「こんなメロディー、どこでも聴いたことがないけど、大丈夫かなー?」と思ったり。
似てて不安。似てなくて不安。
自分オリジナルをつくりたいからこそ、何かに似ていると不安になる。
一方で、自分オリジナルをつくりたいくせに、何にも似てなくて不安になる。
自由になりたい。でも、何か拠り所がないと不安。
私が自作の曲づくりに挑む過程は、自分との戦いであった。
そして、これまでずっと自分との戦いに負け続けてきた。
「私には、自分オリジナルの曲はつくれないのかもしれない」
そう思い続けてきた。
だが、私にとって、自分オリジナルの曲をつくることは、私のアイデンティティを確立することと直結している。
したがって、私が自分オリジナルの曲づくりを諦めることは、自分自身を諦めることであり、私自身を生きることを諦めることに直結してしまう。
だからこそ、私はいまだに自分オリジナルの曲づくりにこだわっている。
シンガーソングライターであることにこだわっている。
そして、シンガーソングライター教室にこだわっている。
たかが曲づくり。されど曲づくりである。
そんな中、先日、ようやく自作の曲が完成した。
長さはちょうど60秒。亡き父に贈る曲。
ようやく「自分オリジナルだ!」と言い切れる曲を書けた。
なぜならば、「私が」「私の父を想って」「私の父に伝えるために」書いた曲だからだ。
この曲は、他の人には絶対に書くことができない。
もし仮に、私以外の人(例えば、私の母や兄妹)が「私の父を想って」「私の父に伝えるために」曲を書いたとしたら、まったく別の曲が生まれるだろう。なぜならば、私と私以外の人とでは、私の父に対して抱いている想いや思い出がまったく異なるからだ。
私が私の父に対して抱いている想いや思い出は、私の心の中にしかないものである。その想いや思い出は、私だけが持っているものであり、私にしか表現できないものである。
ゆえに、私が私の亡き父に贈る曲は、私にしかつくれない曲であり、自分オリジナルの曲である。
逆に言えば、
誰もが自分オリジナルの曲をつくれる
ということだ。
誰を想い、どんな思い出をもとに、何を伝えるかは、自由。
大切なことは、「具体的な」相手を想定することだ。
「その人」のことをしっかりと想定し、想像することだ。
「その人」は、父でも、母でもいい。妻でも、夫でも、子どもでも、友達でもいい。あるいは、ペットでも、大切な物でもいい。
「その人」のことを想い、「その人」との思い出をもとに、「その人」に伝えたいことを言葉にし、それを詩にし、曲にする
これが、いまの私が掴んだ「自分オリジナルの曲づくり」のコツである。
私はずっと、「売れそうな曲をつくりたい!」とか、「カッコいい曲をつくりたい!」とか、「みんなが認めてくれそうな曲をつくりたい!」と漠然と思い続けてきたような気がする。
だが、「何のために自作の曲をつくるのか?」をよくよく考え直してみると、
「自分」と「自分にとって大切な人」との「関係」をより良くしたいから
というのが私なりの答えなのではないか、という気がしてきた。
であれば、私は、これからどんどん自分オリジナルの曲をつくっていける!
だって、少なくとも「自分にとって大切な人」の数だけ曲をつくることができるから。
さらに、「その人」への「想い」「思い出」「伝えたいこと」がたくさんあればあるほど、曲をつくることができる。
なんて素敵なんだ!と素直に思う。
これであれば、私は死ぬまで曲づくりのネタに困ることはなさそうだ。
仮に曲づくりのネタに困る時が来るとしたら、それは、
私が私以外の誰のことをも大切に想わなくなった時
である。
怒っても、泣いても、苛立っても、喧嘩をしても、
誰かのことを想える自分である
ということは、とても素敵なことだと思います。
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「自分にとって大切な人」の誕生日や結婚式などのお祝いに。
「その人」のことを想って、一緒にミニソングをつくってみませんか?
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一人一人の心の中に眠る自分オリジナルの想い。それが曲になったら素敵だろうなぁー♪
なんて思っています^ ^
どっひー &sing