「好きなこと=仕事」にする必要はない

『何があっても、食っていける力を身につける』ために、「好きなこと=仕事」にする必要はない。

「何があっても食っていく」ために必要なことは、唯一、働くこと。仕事をすること。誰かのために働くこと。

したがって、「何があっても食っていける力」とは、「何があっても働ける力」と言える。

「何があっても働ける力」である以上、「何かあった時に就く仕事=自分の好きなこと」に限定することはできない。

「何かあった時に就く仕事=自分の好きなこと」に限定してしまうと、明らかに就ける仕事が狭くなってしまう。自ら可能性を狭めてしまう。

何かあった時に選り好みすることはできない。自分の好きなことと全く関係のない仕事であったとしても、やらざるを得ない時もある。

また、そもそも「好きなこと=仕事」にしなければならない理由もない。

自分の好きなことと全く関係のない仕事に就きながら、自分の好きなことを趣味として楽しむ。それはそれで充実した毎日を送ることができるだろう。

いや、もしかしたら、自分の好きなことを決して仕事にせず趣味として貫いた方が、仕事の選択肢が多くなっていいかもしれない。何かあった時に就ける仕事が沢山あった方が、「何があっても働ける」し、「何があっても食っていく」ことができる。それにより、「何があっても好きなことを続けられる」だろう。

「好きなこと=仕事」にするかどうかは、人それぞれ。

「好きなこと=仕事」にする人もいれば、「好きなこと=趣味」にする人もいる。

「何があっても食っていける力」を身につける。「何があっても働ける力」を身につける。

そのために大切なことは、「好きなことを持ち続ける」こと。

「こんな状態を実現したい」と願い、あくなき好奇心を持ち、新たなことに挑戦し、今日をワクワクと楽しむ心を持ち続けることである。

どっひー &sing

「自分の名刺づくり」は、「一歩先の自分づくり」

「自分の名刺をつくろう♪」をテーマにした『ジブンノシゴトのつくり方教室』第3回では、多彩なキャリアをお持ちである編集者のふっこ(藤嶋ひじり)さんをゲスト講師にお招きし、3名の方にご参加いただきました。

まずはふっこさんの自己紹介。情報発信のプロとして、セールスプロモーションのプロと一緒に作ってきた過去5枚の名刺をお見せいただきながら、名刺制作のポイントや、肩書きそのものを柔軟に作っていく方法を簡単にお伝えいただきました。

その後、名刺制作のポイントを押さえた質問を投げかけていただきながら、お一人お一人の要望をヒアリング。

  • 会社の名刺とは別に、個人での活動をうまく人に説明できるような名刺をつくりたい。でも会社には迷惑をかけたくない。

「会社に迷惑をかけず、かつ、活動の内容を人にわかってもらうためにはどういう肩書きをつけたらいいのか?」

  • これから本格化していく副業のための名刺をつくりたい。肩書きはすでに決まっているが、その仕事や職業に対する知名度がかなり低い。

「仕事の内容を人にわかってもらい、かつ、良い印象を持ってもらうには、どういうデザインにする(どこに何を書く)のがいいのか?」

  • プライベート用の名刺をつくって交友関係やチャンスを増やしていきたい。でも伝えたい想いや取り組んでいる活動が多岐にわたってまとまらない。

「いろんな想い、活動、アイデアを名刺に落とし込むには、どういう肩書きやデザインにすればいいのか?」

「自分の名刺づくり」に対する要望は人それぞれ。

それぞれの方の要望がわかったところで、講師のふっこさんとともに参加者全員が一緒になって、お互いの肩書きを考えたり、デザインを考えたり。それを参考にしながら自分の考えを深めたり、発展させたり。気が付いたら、参加者の方が講師みたいになっていたりして。三人寄れば文殊の知恵じゃないですが、なかなか良いアイデアがたくさん生まれて来ました。

その結果、それぞれの方オリジナルとなる「新しい肩書き」や「仕事の効果効能を訴求するキャッチコピー」や「想いや活動を色や形で伝えるためのデザイン」ができあがりました。

講座内での自分の名刺づくりは、紙やホワイトボードに名刺のラフ案を描くところまででしたが、教室の中は「すでにお互いの一歩先の活動が始まっている」かのような雰囲気で大いに盛り上がっていました。

これから実際に名刺が作成・印刷され、新たな活動が開始されることになるかと思うとすごくワクワクします。

参加者の皆さん、ゲスト講師のふっこさん、どうもお疲れ様でした!

新しい名刺が出来上がるのを楽しみにしています♪

「自分の名刺づくり」や「一歩先の自分づくり」

時には対話を通じてつくってみませんか?


「好きを諦めない働き方を見つける」
キャリア選択前のはじめの一歩
『ジブンノシゴトのつくり方教室』
第4回:自分の仕事に値札をつけよう♪

日時:8月25日(土)13:30〜15:00
場所:アンドシングスクール大阪北浜校

お申込みは、こちら(こくちーずプロ)から。
https://www.kokuchpro.com/event/62b56b4dd0302ba10ac84685ab5fd8ed/290368/

ジブンノシゴトのつくり方教室「第3回:自分の名刺をつくろう♪」のご案内

仕事の幅を広げたい方、パラレルキャリア、副業などで新たな仕事をつくっていきたい方、そろそろ独立起業したい方へ。

ジブンノシゴトのつくり方教室「第3回:自分の仕事の名刺をつくろう♪」のご案内です。


新たな名刺で、一歩先の自分をつくりませんか?

『ジブンノシゴトのつくり方教室』第3回では、多彩なキャリアをお持ちである編集者のふっこさんをゲスト講師にお招きします。
情報発信のプロとして、セールスプロモーションのプロと一緒に作ってきた過去5枚の名刺をお見せいただきながら、名刺制作のポイントや、肩書きそのものを柔軟に作っていく方法をお伝えいただきます。

<こんな方にオススメです>
・これまでの仕事の幅を広げていきたいと思っている方
・パラレルキャリア、副業などで新たな仕事をつくっていきたいと思っている方
・そろそろ独立起業しようと思っている方

<講座概要>
①名刺で一歩先の自分をつくろう
名刺に「できること」しか書いていないなんてもったいない
②名刺でやりたいことを宣言しよう
これから「やりたいこと」をどう名刺に盛り込むか
③名刺で自分を進化させていこう
名刺は自分とともに進化していくもの
④自分の名刺をつくってみよう
気になる名刺をもとに自分の名刺をどうつくるか

<どんな名刺が出来上がるの?>
自分の名刺は、人それぞれ。
職業、肩書き、屋号はもちろん、デザインやレイアウトも人それぞれ。
「自分がどうありたいのか?」「どんな仕事をしていきたいのか?」
にもとづく自分の名刺づくりをアドバイスさせていただきます。

<自分の名刺づくりでどんないいことがあるの?>
・仕事の幅が広がる
・初対面の相手とのアイスブレイクになり、より深い会話ができる
・思いがけず多方面の仕事をいただける
などなど。

<自分の名刺づくりで広がる仕事例>
①単発の仕事から継続の仕事へ
名刺の表の肩書きはライター、裏の肩書きはアロマテラピーアドバイザーと、裏表で異なる肩書きの名刺にしたところ、これまで単発だったライターの仕事が「著名なハーブの専門家」の連載(2年間継続)の仕事に発展。

②趣味を同じくする人と繋がれる(+新たな仕事へ)
名刺の裏に、自分の「趣味(これから仕事にしていきたい好きなこと)」を書いたところ、「実は私も同じ趣味をもって活動しているので、そちらでも一緒に仕事をしましょう」と新たな仕事の話へ発展。

<ゲスト講師プロフィール>
ふっこ(藤嶋ひじり)
編集室Roots・きのね出版代表。編集者、コラムニスト、保育士、セミナー講師、シンガーソングライター。保育士から(株)リクルートの編集者に転身。退職後、日経BP社、小学館、NHK出版で取材・執筆、企業の月間広報誌の編集に携わる。インタビューは延べ1,700人以上。自身の体調不良と娘のアトピーを機に生活習慣病予防士、心理カウンセラーなどの資格を取得、表現アートセラピーを学び、座禅道場に入門。バレエ、絵画、ピアノ、合氣道初段、インタビュアー、編集者の経験を生かし、言葉(文章)・身体・音楽など「表現」にまつわるさまざまなワークショップやセミナーを開催、また、みんなの表現の場づくりを広げている。

<日時>
2018年7月28日 (土) 13:30〜15:00

<場所>
アンドシング スクール大阪北浜校
(最寄駅)地下鉄堺筋線「北浜駅」または京阪電鉄「北浜駅」から徒歩約3分、地下鉄御堂筋線「淀屋橋駅」から徒歩約10分
https://www.google.com/maps/place/〒541-0042+大阪府大阪市中央区今橋1丁目7%E2%88%9219+北浜ビルディング+11階/@34.6901597,135.50485,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x6000e6de3d71e7a1:0xadcb48fa5443c05c!8m2!3d34.6901597!4d135.5070387

<定員>
16名

<受講料>
3,000円(税込)
なお、以下の書籍をご持参の方は、1,000円割引となります。

『ジブンノシゴトのつくり方 〜好きを諦めない働き方〜』
土肥卓哉(ギャラクシーブックス)

*書籍のご購入はコチラ(amazon.co.jp)から。
https://amzn.to/2GTfCik

<お支払い方法>
当日、現金にてお支払いください。

<お申し込み方法>
下記「いずれかの」方法でお申し込みください。
①facebookイベントページで「参加予定」を押す。
https://www.facebook.com/events/1641467595975728/

②こくちーずプロのイベントページで申込手続きを行う。
https://www.kokuchpro.com/event/62b56b4dd0302ba10ac84685ab5fd8ed/290367/


自分の名刺づくりは、未来の自分づくり。
「自分がどうありたいのか?」「どんな仕事をしていきたいのか?」
そんなことを考えながら、一緒に自分の名刺をつくってみませんか?

脱サラ起業と間借りカレー(昨日の一職体験会レポートを兼ねまして)

間借りカレー、ってご存知ですか?

間借りカレーとは、あるお店の、ある曜日、ある時間帯だけを間借りして営業しているカレー屋さんのことです。

本格的な脱サラ起業に向けた(試験的な)実践場にもなっているようです。

昨日、コロンビア8 上本町店で、『好きを仕事にする50代からの脱サラ起業』をテーマにした一職体験会を開催しました。

ご参加されたのは、50代を中心に、40代、30代までの男女8名。

その中には、すでに間借りカレーを1年近く続けている方がいらっしゃいました(すでに雑誌にも取り上げられているとのこと)。

それ以外にも、たまに知り合いから注文を受けて自分が作ったカレーを販売している方。あるいは、間借りカレーならぬ、間借りカフェをやっている方もいらっしゃいました。

お三方とも、ふだんは会社員の方。それでいて、ちょこっと起業している。例えば、月1回の頻度で。自分の好きを仕事にしてみている。

ただ、本格的に自分のお店を開くとなると、いろいろと乗り越えないといけない壁が出てくる。悩みや不安が生じてくる。

  • ほんとうにそこまでやりたいのか?
  • ほんとうに毎日やれるのか?
  • 楽しくやり続けられるのか?途中で辛くならないか?
  • ドリームキラーにどう向き合うか?
  • ビジネスとしてどう採算に乗せるか?

などなど。

昨日の一職体験会では、実際に50代で脱サラ起業されたユースケさんの経験談を交えながら、そんな悩みや不安を共有したり、それをどう乗り越えていけばいいか?について大いに話し合いました。

一職体験会終了後、ユースケさんからこんなコメントをいただきました。

確かに私は50代で脱サラ起業しましたが、まだ成功した訳ではありません。また、脱サラ起業に向けた悩みや不安もその乗り越え方も、人それぞれだと思います。人それぞれ、置かれた状況や環境も違いますから。ただそれでも、私の経験談がこれから脱サラ起業を目指す人たちにとって何かのお役に立てば嬉しいな、と思っています。また、このお店が、そんな人たちに気軽に立ち寄ってもらえる場所になればいいな、とも思っています。

当店では、土日祝の夕方以降、いろんなイベントをお客様に貸切で開催していただいています。ぜひ他のイベントにも、足をお運びいただければと思います。

もちろん、イベントがない日でも、ぜひ美味しいキーマカレーを食べに行ってみてください!

コロンビア8 上本町店はこちら。

https://www.google.co.jp/amp/s/s.tabelog.com/osaka/A2701/A270205/27097006/top_amp/

水曜日は定休日ですので、お間違えなく!

脱サラ起業に向けた間借り起業。

「自分の好きを仕事にしてみたい!」という想いをお持ちの方にとっては、一考の価値があるのでないでしょうか?

Think Big, Act Small, &Sing♪

「どこで暮らすのか?」「どこで働くのか?」

いずれは家族のいる地元に戻って暮らしたい。でも、地元に戻った時に、仕事の当てはあるのだろうか?

家族が暮らす場所と自分が働いている場所が異なる場合、キャリア選択を考え始める動機が生まれる。

例えば、

いまは東京で働いているが、いずれは親の面倒を見るために地元で暮らしたい(地元で暮らさざるを得ない)。

あるいは、

いまは単身赴任をしているが、いずれは妻(あるいは夫)や子どもたちと一緒に暮らしたい。

あるいは、

いまはお互いに離れた場所にいるが、いずれは彼女(あるいは彼氏)と一緒に暮らしたい。

あるいは、

いまは家族と一緒に暮らしているが、いずれは単身赴任などで家族と離れて暮らすことになるかもしれない。それでも最終的には家族と一緒に地元で暮らしたい。

目的は何であれ、自分にとって大切な人が暮らす場所と自分が働いている場所が異なる場合。相手が暮らす場所を変えてくれないとしたら、どうしても自分のキャリア選択を考えざるを得なくなる。

もちろん、

  • いま会社に勤めており
  • その会社が地元にも事業所を持っており
  • 会社がその事業所への異動を受け入れてくれ
  • 望む仕事と望む給料を与えてくれる

という条件が満たされる可能性があるのであれば、あえてキャリア選択を考える必要はないだろう。

だが、そうではないとしたら…

転職するか、独立起業するか。そのために新たな職業なり、資格なりを身につけるか。

いずれにせよ、どうにかして、地元で暮らしながら働いていく手段を手にいれる必要がある。

「どこで暮らすのか?」

そのために、

「どこで働くのか?」

さらにそのために、

「どの会社で働くのか?」

あるいは、

「どんな職業に就くのか?」

もしも最終的に暮らしたい場所といま自分が働いている場所が異なっているとしたら…

遅かれ早かれ、将来を見越したキャリア選択を考え、その準備をしておくことが、非常に重要になるのではないでしょうか?


「好きを諦めない働き方を見つける」
キャリア選択前のはじめの一歩
『ジブンノシゴトのつくり方教室』
第3回:自分の名刺をつくろう♪

*講座内容のご確認とお申し込みはコチラ(こくちーずプロ)から。

好きなことを仕事にする、ということ

「明日、仕事や。はぁ…」と思ったことはない。

とおっしゃったのは、今日『一日一職』インタビューにご協力いただいた、とある自由業の方。仕事の前日。翌日の仕事のことを思って辛くなることはない、と言う。

「ここのカレー、食べに行きませんか?」

と誘ってくれたのは、今度『一職体験会』を開催していただくカレー店店主の方。自分のお店が休みの日にも、別のお店にカレーを食べに行くと言う。

好きなことを仕事にしているので、仕事が苦にならない。

休みの日でも、仕事のこと(=好きなこと)を考えてしまう。

一日24時間。一年365日。

毎日が仕事であり、遊びでもある。

それがない人生は考えられない。

そんな毎日を過ごすことができたら、どんなに幸せだろうか?

好きを仕事にする50代からの脱サラ起業 【一職体験会】のご案内

カレー好きの方、飲食業に関心のある方、そろそろセカンドキャリアを考えておきたい方へ。

【一職体験会】のご案内です。


好きを仕事にする50代からの脱サラ起業
【一職体験会】

絶品キーマカレーとスパイスの効いた「ここだけの話」を味わいながら、飲食業のリアルを体験してみませんか?

<体験会概要>
①好きなこと、やりたいことの見つけ方
②実際にやってみてわかった、飲食業の楽しさと現実
③夢を引き止める「ドリームキラー」との向き合い方
④何でも質問会

<一職案内人>
ユースケ(コロンビアエイト上本町店店主)
薬剤師、大手素材メーカーおよび製薬会社にて医薬品研究20年、品質保証6年に加え労働組合を経験。大阪勤務時に、大阪のスパイスカレーに出会い、毎日食べ歩き年間650食のカレーを食べ続け、大阪カレー部長として活躍。定年なく働けるカレー屋にあこがれ、2017年6月、コロンビアエイトオーナーより誘いを受け、52才にして脱サラ。4か月の修業期間を経て2018年5月より憧れのカレー店店主となり、飲食業のリアルに直面している。

<コーディネーター>
土肥卓哉(アンドシング 株式会社 経営コンサルタント・公認会計士)

<日時>
2018年7月21日 (土) 18:30〜20:30
・オープン:18:00〜
・ディナー:18:30〜19:00
・トーク :19:00〜20:30

<場所>
コロンビアエイト上本町店(営業時間外・貸切)
電話番号:06-6191-5949

住所:大阪府大阪市天王寺区東高津町11-7
*近鉄線「大阪上本町駅」から徒歩約5分
https://goo.gl/maps/TmcP5MuN8aP2

<体験料>
3000円(税込)/人
*キーマカレーとアイスコーヒー付き
★「お店の後片付け体験もできます!」(希望者のみ)

<お支払方法>
体験料は、当日現地にて現金でお支払いください。

<お申し込み方法>
下記「いずれかの」方法でお申し込みください。
①facebookイベントページで「参加予定」を押す。
https://www.facebook.com/events/2285515274821912/

②こくちーずプロのイベントページで申込手続きを行う。
https://www.kokuchpro.com/event/isshoku001/


定年退職前の52才で脱サラを決意し、コロンビア8上本町店の店主になったユースケさん。その決意たるや、なかなか大変だったようです。

『一日一職』の記事の掲載場所につきまして

いつも「学ぶログ」をご覧いただき、誠にありがとうございます。

これまで『一日一職』の記事を「学ぶログ」の記事としてアップしてきましたが、今後は「学ぶログ」ではなく、別の場所にまとめてアップする形にしたいと思います。

このホームページ上のどこかに別コーナーを設けるか、別のサイトを設けるか。

まだその位置付け方は未定ですが、いずれにせよ、『一日一職』の記事は別の場所でまとめて閲覧していただけるようにしていきたいと思います。

その準備が整いましたら、改めてお知らせさせていただきます。

また、『一日一職』インタビューを続ける中で、「この方のお話。ぜひ他の方にも聞いて欲しい!」「ぜひその仕事を体験して欲しい!」という思いも強くなってきました。

これにつきましては、『一職見学会(仮称)』や新たな講座の立ち上げ、という形で、その機会を設けていきたいと考えております。

いつも多大なるご支援、ご協力をいただき、誠にありがとうございます。

今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。

どっひー &sing

 

 

【一日一職】グラフィックファシリテーション

講演者が話す脇で、Sさんは壁に貼られた模造紙にペンを走らせている。

耳は講演者の話に集中しながら、手はささっと動き続けている。

講演者の話が進むにつれ、真っ白な模造紙が絵や文字で埋め尽くされていく。

講演者の似顔絵があり、キーとなる言葉があり、人の動きや表情が躍動感ある形で描き出されていく。

そこにあるのは、ただの絵や文字ではなく、感情や価値観を伴った映像。

講演者と聴衆が、ともに同じ場所で同じ時間を過ごしていたという実感を伴った記録。

講演が終了した時、模造紙に現れたのは、カラフルで喜怒哀楽に溢れた心象風景。

この間、Sさんは一言も話さなかった。

Sさんの耳と手を介することで、素晴らしい共同作品がそこに残っていた。


職業:グラフィックファシリテーション
氏名:Sさん(女性・30代)
(前職)文房具メーカー勤務

どんな仕事?

グラフィックファシリテーションは、リアルタイムで「聴いて、感じとって、描く」仕事である。これにより、参加者も、リアルタイムで「観て、話して、伝える」ことができる。

絵や文字を視覚的に描き出すことで、言葉や論理だけでなく、そこに付随する感情や価値観を同時に記録していけることがグラフィックファシリテーションの特徴である。

グラフィックファシリテーションは、目的によって描き方も変わってくる。

例えば、仕事としてよくあるケースを例に挙げると、

①会社の会議や研修(ビジョン策定など言葉にするとズレが起こりやすいテーマなど)
目的は、本音を引き出す、価値観をすり合わせる、見える化ですれ違いを減らす、など。

②中小企業連携構想づくり(利害関係者が多く、同じ言葉を使っていても前提となる意味が違うなど)
目的は、対話を促す、相互理解をしやすくする、会議を本質的な話に持っていくようにする、など。

③市のまちづくり(福祉について考える市民参加の連続講座など)
目的は、市民の声を受け止める、意見を反映させる、不参加者が次回見返せるようにする、など。

一人ひとりの発言が、模造紙の上に絵や文字として描き出されていくことで、参加者同士の安心感がつくられていく。逆に言えば、グラフィックファシリテーションは、参加者一人ひとりが安心して自分の意見や想いを表現できる場をつくるための手段とも言える。

どのようなケースであれ、私自身は共通して「どんな人も安心してここにいていいよ」というメッセージが流れているような気持ちで描いています。

きっかけは?

グラフィックを描きはじめたのは、3年ほど前。前職の会社を辞めて、ある高等専門学校でアクティブラーニング担当講師として勤めていた時のこと。そこには、座学は得意だけど、対話が苦手な生徒がたくさんいた。丁度その頃、発達障害者支援法が改正された後だったこともあり、ある生徒から「発達障害者向けに何かサポートしてくれないの?」と言われた。話しを聞くと、「ある先生の授業の板書を取れない」とのことだった。

「その生徒のために何かできないかな?」と考えてみて思い浮かんだのが、「グラフィックで板書を描いてみよう」ということだった。でも、一番はじめに描いてみた時は、話のポイントを3,4箇所くらいしか押さえることができず、またそのグラフィックも、先生の似顔絵以外は、文字情報が中心だった。ただそれでも、その生徒や周りの生徒たちが、それを写真に撮って、喜んでくれた。それをきっかけにグラフィックで板書を描くことを続けるようになった。

ある先生の授業でこれを繰り返しているうちに、グラフィックで描いた板書が15枚ほどになり、それをその先生が前期の振り返り授業で使ってくれることになった。15枚のグラフィックを壁に貼り、それぞれの生徒がペンを持って印象に残ったところに行って意見や感想を書き込む。こういう形でグループワークを実施したところ、とても議論が弾んだ。

この時、グラフィックがあれば、対話が苦手な生徒も含め、みんながペンを持って主体的に会議に参加することができる、ということを知った。

これをきっかけに、もっとグラフィックを描くことに取り組もうと思った。「とにかくグラフィックを描く経験を積もう!」「週一回は、勤めていた高等専門学校以外の場所でグラフィックを描こう!」と思い、ペンと模造紙をもって、いろんな場に出向いていった。とは言え、なかなか思うようには描けない。大事な発言を漏らしたり、絵や文字でその人が言いたかったことを適切に表現できなかったり。反省ばかりだったが、「いる限り、役に立ちたい」という思いで描き続けてきた。その間、facebookでの発信も続けていた。反応はあったり、なかったりだったが、とにかく続けていた。

するとある日、そのfacebookでの投稿をきっかけに、すでにグラフィックファシリテーションを仕事にしている方と関わる機会に恵まれた。ある会社の会議に参加し、そこでペンを手に白熱した議論をしている大人たちの姿を見た。そしてそれが立派にお金をもらえる仕事として成立していることを知った。昨年9月のことである。

その時に、「これが仕事になるのなら、仕事にしてみようかな〜」と思った。

そしていま、グラフィックファシリテーションを職業として仕事にしている。

いままでに描いたグラフィックは300枚以上になると思う。

子どもに勧める?

すごく勧める。グラフィックファシリテーションをやってみることで、その先が見つかる。血肉になる。

聴く力を養える。自分を理解することができる。諦めずに取り組む姿勢が身につく。

それを職業にするかどうかは別として、ぜひ「一回やってみたら?」と勧めたい。

これから、グラフィックファシリテーションを職業にする人も増えていくと思う。

大切なことは?

「毛穴のすみずみまで開くこと」を大切にしています(笑)。

人が話していることを全身で感じとること。

グラフィックファシリテーションでやっていることは、落語に例えることができる。

落語では、話し手のセリフを聞いて、その場面を想像する。耳で聞いた言葉を絵に変換している。グラフィックファシリテーションでは、この絵を模造紙の上に描き出しているようなイメージ。

一見、特殊なことをしているようだが、私もはじめはほとんど描けなかった。

まずは描いてみること。それを続けること。いろんな場に出向いていって、実際に試し続けることが大切。

私もいまだに実験を続けています。

嬉しいこと、嫌なことは?

参加者が、立ち上がって、ペンを持ち、しゃべりはじめる瞬間を見ると嬉しい。その場に熱量が出てきた瞬間を感じると嬉しい。

一方で、単なるパフォーマーとして呼ばれた時は、「あれっ?」と思う。そういう時は、プログラム案を自分でつくって提案するようにしている。

また、一緒にやるファシリテーターの方が参加者の気持ちを置いてきぼりにして、会議の主体性を奪ってしまうしまうような時も、「あれっ?」と思う。

私は、主体性を育むために描いている。理想は、私たちがその場からいなくなっても、会社の人たちや参加者の人たちが自ら動くようになることである。

食べていくために工夫していることは?

いま日本で、グラフィックファシリテーションを本業にして食べていけている人は、2桁くらいだと思う。副業でやっている人も含めれば100人以上いるかもしれないが。

私自身は、グラフィックファシリテーションを職業にしているが、たまたま依頼された仕事をただ単に受けるようなことはしていない。事前の打ち合わせをし、グラフィックファシリテーションを使う目的や意図をしっかりと確認するようにしている。場合によっては、グラフィックファシリテーションを使う必要がないケースもある。

私は、事前の打ち合わせの時にも、たくさんのグラフィックを描いている。

仕事の場であれ、事前の打ち合わせの場であれ、一回一回を大切にしている。

いつも「困っている人がいるのであれば、何か一緒にできたらいいな〜」と思っている。

グラフィックファシリテーションは、あくまでもそのための手段だと考えている。

Sさんにとってグラフィックファシリテーションとは?

グラフィックファシリテーションは、「困っている人が安心できる場をつくるための手段」である。


耳で聞いた言葉を絵や文字として描き出す。

一見、特殊なことのようだが、インプットとアウトプットを揃える必要はない。必ずしも、耳で聞いた言葉を言葉で書く必要はない。

目で見た映像を言葉にすることもあれば、耳で聞いた言葉を映像にすることだってできる。

グラフィックファシリテーションに限らず、言葉以外の表現方法を駆使したコミュニケーションや、それをサポートする職業はこれから増えていくのかもしれない。

どっひー&sing

【一日一職】電車運転士

電鉄会社の制服を着たMさんはキリッとしている。

そして、つねに周りの人たちに目を配っている。

同時に、周りの環境に目を配っている。

それでいて、笑顔を絶やさない。

インタビューを通じて、Mさんの身のこなしのわけがわかった。

電車運転士は、つねに安全、安心に気を配っているのだ。


職業:電車運転士
氏名:Mさん(男性・50代)

どんな仕事?

電車運転士の仕事は、「目的地まで安全、安心に、時間どおり、できれば気持ちよく、お客様をお運びする仕事」である。

まず安全であること。これがもっとも重要である。日々、事故が起こらないよう、線路や車両を点検している。

次は、安心に。仮に事故がなかったとしても、お客様が不安を感じるようでは乗っていただけない。信号を指差し確認するなどの行為だけでなく、身だしなみも含めて、信頼を積み上げていく必要がある。

そして、時間どおりに。安全、安心あってこその時間どおり。無理に時間どおりに運行しようとして、安全、安心が疎かになるのは本末転倒である。

最後は、できれば気持ちよく。一般に、電車に乗っている時間は苦痛な時間だと思われている。特にやることはないし、見知らぬ人たちが周りにいるし。そんな苦痛な時間を少しでも和らげられたらいいな、と思いながら、お客様に挨拶したり、声をかけたり、接したり。これも電車運転士の仕事だと思っている。

きっかけは?

20歳の時、腰を痛めて入院し、手術をした。当初、家業を継ぐことも考えていたが、しばらく体力仕事は厳しいだろうな、という状況だった。ちょうど病院を退院する頃、たまたま電鉄会社で電車運転士の募集があることを知った。たぶんアカンやろうな、と思いつつ、ダメ元で応募した。そしたら、受かった。その時、たまたま定年退職の方が多くて電車運転士の空きが結構出たみたいで。ほんと、たまたま。

電鉄会社に就職した後は、駅務員をやりながら、電車を運転するための免許である「電気車免許」(国家資格)を取得し、21歳から電車運転士に。37歳までの16年間、日々、電車運転士として勤務し続けてきた。その後は、助役、駅長などを経て、電鉄会社で勤務し続けている。

最近、電車運転士になる人の多くは「昔から憧れてました」とか「夢でした」と言って入ってくる人が多いのですが。実は私はそうではなく、たまたまなんですよね。あまりドラマチックでなく、すみません…(笑)。

子どもに勧める?

子どもが「やりたい」と言えば、「やったら」という感じですね。基本的に、やりたいことをやればいい、と思っているので。

また、あえて電車運転士を「やれば?」とも言わない。電車運転士に合う人、合わない人がいると思うので。

電車運転士の仕事は、安全、安心第一。毎日、当たり前のことを繰り返す仕事。なので、退屈、目に見える成果がない、創造的でない、と感じる人もいると思う。一方で、そのくらい日常に溶け込んだ仕事であると言えるし、お客様との対話を楽しめる仕事でもある。

こういう前提を理解した上で、電車運転士をやりたい、と言うのであれば、ぜひやればいいと思う。

大切なことは?

つねに心身ともに整えておくこと。

毎日の安全、安心を実現するためには、心や身体を整えておくことが大切になる。

悩み事や健康の不安など、気になることがあるとどうしても集中力が低下する。その結果、一瞬の油断が大事故に繋がる可能性がある。

なので、仕事の時間だけ頑張ったらいいわけではない。「24時間、運転士」とは言わないまでも、つねに自分の心身を整えておく意識を持ち続ける必要がある。

電車運転士は、たくさんの人の命を預かっている仕事である。

これを重圧に感じるのではなく、誇りに思える人でないと電車運転士は務まらないかもしれない。

嬉しいこと、嫌なことは?

お客様から温かい言葉をかけていただいた時は嬉しい。「ありがとう」という一言や、にこっと笑ってくれるだけでいい。また、知り合いが乗って来たり、近所のおばちゃんが乗って来たり。そういう人としての触れ合いがあるとそれだけで嬉しくなる。

あと、「残らない仕事」なのがいい。勤務時間に電車を運転し、お客様を目的地に届け終えたら何も残らない。例えば、事務仕事のように、自分のやった結果が残って後に迷惑がかかる心配もない。人によっては、成果がない仕事と思う人もいるかもしれないが、私にとっては「残らない仕事」であることがいい。勤務時間は不規則だけど、平日に休めるし。仕事とは別に、趣味や自分のやりたいことがある人にはいい仕事なのではないかと思う。

嫌なことは、ミスをしたり、クレームになること。つねに、事故が起きないように細心の注意を払っているが、事故が起こる時もある。私も若い時、ドアでお客様を挟んでしまったり、早発(発車時刻よりも早く出発)したりしたことがあった。事故が起きれば、その原因を追求し、再発防止に努める。だが、「なぜそんなことをしてしまったのだろう?」と自分を責めたり、自信を失ってしまうこともある。すごく落ち込んだりもする。ただ、落ち込んでばかりいても仕方がないので、ミスはミスとして認め、反省し、そこから立ち直っていくことで一人前の電車運転士になっていくとも言える。

私も、ミスをするたびに、上司に励ましてもらい、助けてもらった。育ててもらった。いまは逆に、若い電車運転士を指導し、育てていく立場になっている。

食べていくために工夫していることは?

特にない。というのも、電車運転士は、電鉄会社に就職して勤務していることが前提になるので。

雇用される期間や給与水準などは電鉄会社により異なるだろうが、家族で食べていくのに大きな苦労はないのではないかと思う。

ただ今後、AIやロボットの進化で自動運転技術が発達すれば、世の中で必要とされる電車運転士の数は少なくなっていくかもしれない。あるいは、電車には乗るが、運転はせずに監視するだけという仕事になっていくかもしれない。

これから電車運転士を目指す人は、その可能性を踏まえた上で、職業選択をしてもらえたらと思う。

Mさんにとって電車運転士とは?

電車運転士とは、「目的地まで安全、安心に、時間どおり、できれば気持ちよく、お客様をお運びする人」である。


安全、安心であること。

一見、当たり前のことのようだが、その裏で、日夜努力されている方々がいるということを知った。

時間どおりであること。気持ちよくあること。それはそれで大切なこと。

だが、それにはしっかりとした土台が必要になる。

安全、安心であること。ふだん当たり前だと思っていることに、もう少し意識して目を向けてみたいと思う。

どっひー&sing