いくらがんばっても問題が解決されない時。その時は、アプローチを変えるべき時かもしれない。
教育ではなく、開学
この言葉を、問題を解決する、という視点から見れば、
問題解決ではなく、ビジョン創造
と言い換えることができる。
一般的な問題解決アプローチは、”問題”に着目する。問題を見つけ、問題構造を見つけ、解決すべき原因(課題)を見つける。そして、その原因を解消する手段を見つけ、その手段を講じ、問題を消滅させる。
このアプローチは、”問題”に着目する。
それゆえに、”問題の定義”を間違うとうまくいかない。特に、”問題”という言葉は、”良くないこと”というニュアンスを持つ。
プロジェクトで、「まずは問題を列挙してみましょう!」と言うと、プロジェクトメンバーから沢山の”良くないこと”が上がってくる。10も20も上がってくる。参加者が増えれば増えるほど、問題の数も増えていく。100も200も上がってくる。中には、他者への誹謗中傷みたいなものも上がってくる。
しかし、それは本当に”良くないこと”なのか?
逆に、”良いこと”とは何か?
“良いこと”がわかっていないのに、”良くないこと”を列挙していないか?
列挙されてきた問題は、ほんとうに解決すべき問題なのか?
これを検証することなく、そこにある問題を解決しようと取り組むことは時間と労力の無駄である。なぜならば、解決する必要のない問題は、解決する必要がないからだ。詭弁のような言い方だが、そうとしか言いようがない。
一方、ビジョン創造アプローチは、問題に着目せずに、”ビジョン”に着目する。
ビジョンとは、未来のありたい姿。理想とする姿。実現したい姿。まだ見えないけど、見たいと願っている姿。それを可能な限り、見えるように表現したもの。
ビジョンに着目することで、問題解決のための幹をつくることができる。枝葉末節の問題探しに陥るのを防止することができる。
ここでは、すごく簡単な例で説明する。
アンドシング株式会社のビジョンは、&sing、ともに歌う、安心する。である。
なのでものすごく割り切って言えば、2人以上の人が、安心して、ともに歌えばオッケー!である。
もちろん、当社としては、”次世代リーダー輩出のための新たな学校づくり”という事業を通じて&singなビジョンを実現する必要があるのだが、ビジョンの原形はいたってシンプルである。
それゆえに、社内外で起こる出来事を捉える時にも、”2人以上の人が、安心して、ともに歌う”状態にあれば、問題なし。すなわち、”良い状態”であり、そこで行われていることは”良いこと”である。
逆に、”2人以上の人が、安心して、ともに歌う”状態になければ、問題あり。すなわち、”良くない状態”であり、そこで行われていることは”良くないこと”である。
このように、ビジョンが明確になると、問題とそうでないものをシンプルに峻別できるようになる。
また同時に、すでにある”良い状態”や”良いこと”が見えてくるようになる。自社の強みも見えてくるようになる。ビジョン創造アプローチの利点は、むしろこちらの方が大きい。
すでに”良い状態”や”良いこと”があるのであれば、その芽や種を育てていけばいい。強みを活かして伸ばしていけばいい。
枝葉末節な問題を解決している時間と労力がもったいない。
その時間と労力を、”良い状態”や”良いこと”を育てて開花させることに使った方が断然いい。
一般的な問題解決アプローチは、”問題”に着目し、”良くない状態”や”良くないこと”を見つけ出す。
ビジョン創造アプローチは、”ビジョン”に着目し、”良い状態”や”良いこと”を見つけ出す。
いくらがんばっても問題が解決されない時。その時は、アプローチを変えてみるといいかもしれません。
TAKU &sing
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