コンフォートゾーンから抜け出し続けるには?

起業初月の売上高は2万円だった。

当然これでは食っていけないのだが、不安はない。なぜならば、未来への希望と過去の蓄えがあるからだ。

「コンフォートゾーン」という言葉がある。

GLOBIS知見録によると、コンフォートゾーンとは、「居心地のいい場所」である。このコンフォートゾーンの外側には、ラーニングゾーンがあり、またその外側には、パニックゾーンがある。これらは、元GEのノエル・ティシーさんによって整理されたコンセプトだそうである。

このコンセプトによれば、ビジネスパーソンが成長していくためには、ラーニングゾーンに身をおいた方がいい、と考えられている。

逆に、コンフォートゾーン(居心地のいい場所)にいる限り人は成長しない、ということだ。

私自身も、同じ感覚を持っている。

会社を辞めて独立する。起業する。

これらは、いわばコンフォートゾーンから未知の領域に飛び出ることと言えるだろう。

「どうすればコンフォートゾーンから抜け出せるか?」

は重要な問いである。

しかし、私の経験からはむしろ、

「どうすればコンフォートゾーンから抜け出し続けられるか?」

の方がより重要な問いだと考えている。

なぜならば、コンフォートゾーンを抜け出す前であれ後であれ、ほんとうに不安を感じるのは、独立、起業した後の数ヶ月間のことだからだ。

数ヶ月先のことで大きな不安を抱えている限り、独立、起業への一歩を踏み出すことはできない。仮に、独立、起業への一歩を踏み出せたとしても、二歩、三歩、十歩と歩き続けるうちに前へ進めなくなる。

私は2014年12月に会社を辞めて個人事業主として独立した。しかし、2016年2月には再就職した。再就職に至った理由はそれなりにあるのだが、一つ言える確かなことは、私は個人事業主としての立場を貫くことはしなかった、ということである。

このような経験を経て、私は、再び会社を辞め、2018年2月に起業した。

会社を辞めて未知の領域に飛び込んだ時に最初に起こること。それは、収入がなくなる、ということ。

これは、いかんともしがたい。顧客がいない限り、これは確実に起こる。

その時に、「どうすればいいんだろう?」「来月は?再来月は?」「私はいま何をしたらいいんだろう?」とオロオロすると、パニックゾーンに入っていくことになる。あるいは、数ヶ月間にわたり闇雲に行動した結果、何の手応えも感じられない状態が続いたとしたら、やはり同じくパニックゾーンに入っていく。パニックゾーンという言葉からは、まさに頭がパニックになって混乱するようなイメージがあるかもしれないが、私個人の感覚からすれば、”思考停止”という表現が正しいように思う。

パニックゾーンに入ってしまわないようにしつつ、コンフォートゾーンに戻ってしまわないようにする。

これが、ラーニングゾーンに居続けるために必要なことだ。ラーニングゾーンに居続けられれば、自ら学習し、自ら成長していくことができる。

ポイントは、ラーニングゾーンに着目しないことだ。あくまでも、境界線に着目することだ。以下の図でいえば「=」の部分に着目することだ。

パニックゾーン

============= 境界線

ラーニングゾーン

============= 境界線

コンフォートゾーン

冒頭、私は「起業初月の売上は2万円だったが不安はない。なぜならば、未来への希望と過去の蓄えがあるからだ」と書いた。

未来への希望を持つことは、ラーニングゾーンとコンフォートゾーンの境界線上に高い壁を築くこと。安全地帯へと後戻りしないようにすること。

一方、過去の蓄えを持つことは、ラーニングゾーンとパニックゾーンの境界線上に高い壁を築くこと。危険地帯まで行き過ぎないようにすること(より正確には、危険地帯の範囲を狭めること)。

こうしておけば、コンフォートゾーンに戻ってしまうことはなく、かつパニックゾーンに入ってしまうこともない。

未来への希望でコンフォートゾーンへ戻ってしまうことを防ぐ。

過去の蓄えでパニックゾーンに入ってしまうことを防ぐ。

そうして、ラーニングゾーンに身を置き続ける。

自ら学習し、自ら成長していく自分であり続けられるよう、環境を整える。

学習しやすい環境を整えることは、自分の成長にとっても、他人の成長にとっても、非常に重要なことである。

あなたはいま、どのゾーンにいますか?

あなたの周りにいる人は、どのゾーンにいますか?

追記:

上記で「蓄え」という言葉を使っていますが、これは必ずしも「お金」の蓄えだけを意味していません。自らの力で築き上げてきた「人間関係」、困難をくぐり抜けて成果を出して来た「経験」、人よりも速く確実に成果を出せる「スキル」なども含みます。これについては、また別の機会に書いてみたいと思っています。

TAKU &sing

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